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COLUMN
朝がつらい…思春期に増える“起立性調節障害”とは?

起立性調節障害とは?

朝になると「頭が痛い」「立ちくらみがする」「起き上がれない」――
そんな症状が長引いている場合、「起立性調節障害」の可能性があります。
特に小学校高学年から中学生の思春期に多く、自律神経の働きが乱れることで血圧や脈拍の調整がうまくできず、立ち上がったときに血が足りなくなるような状態が起こります。
「怠けているのでは?」「サボっている?」と誤解されることもありますが、実際には身体の不調であり、周囲の理解と正しいケアがとても重要です。

主な原因

起立性調節障害の要因は、以下のように複数の要素が関係しています:

  • 自律神経のアンバランス(交感神経・副交感神経の乱れ)
  • 成長ホルモンの急激な変化
  • 心理的ストレスや学校生活のプレッシャー
  • 姿勢不良や筋力不足による血流循環の低下
  • 睡眠不足・昼夜逆転の生活リズムの乱れ

体の成長に心が追いつかない思春期だからこそ、身体的・精神的なサポートが不可欠です。

注意すべき症状

以下のような状態が1か月以上続く場合は注意が必要です:

  • 朝、起きられない/起きると気分が悪くなる
  • 動悸、立ちくらみ、めまいが頻繁にある
  • 午前中の頭痛・吐き気・食欲不振
  • 午後以降は元気になる
  • 通学が困難/欠席・遅刻が増える
  • 病院の検査では異常が見つからない

「午後になると元気になる」という特徴があり、周囲から理解されにくいため、心にもダメージを抱えてしまう子も多くいます。

日常でできるセルフケア

自宅でできるサポートやケアもあります:

  • 生活リズムの見直し(就寝・起床時間を一定に)
  • 朝はゆっくり起きる/体を横にした状態で水を飲む
  • 脱水・低血圧を防ぐための水分・塩分補給
  • 足を高くして寝るなど、血流を助ける工夫
  • 適度な運動(ストレッチや軽い筋トレ)で血流改善
  • 学校との連携・配慮(保健室利用や遅刻対応)

「登校しなければ…」「親に迷惑をかけている…」と抱え込まず、小さな一歩から心と体を整えていくことが大切です。

柔道整復師・鍼灸師監修コメント

起立性調節障害は、自律神経・血流・姿勢バランスなど、目に見えにくい体内の問題が複雑に絡んでいます。
親御さんも一人で抱え込まず、まずは専門家に相談してみてください。
“つらさ”の背景には、必ず理由があります。

子どもの不調、まずは話を聞いてあげて

ままとこどものからだケア

学校や周囲からの誤解・プレッシャーの中で、子どもは「本当のつらさ」を言えずに我慢してしまいがちです。
まずはしっかりと話を聞いてあげてください。
そして「どうしたら少しでもラクになるか」を、 家族や専門家と一緒に考えていくことが重要です。
「薬に頼らずに改善したい」「体から整えたい」
そんなときは、ママこケア掲載の治療院もご活用ください。
※施術内容・治療方針は各院で異なります。詳細は各治療院にお問い合わせください。

起立性調節障害に関するよくある質問

Q1:子どもが朝起きられないのは甘えですか?
A1:起立性調節障害は、甘えや怠けではなく、自律神経の不調による「身体の病気」です。特に思春期の子どもに多く見られ、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛などの症状が特徴です。適切な理解と支援が必要です。
Q2:起立性調節障害は何歳くらいの子に多いですか?
A2:小学高学年〜中学生に多く見られます。思春期に起こるホルモンバランスや成長の影響で、自律神経が乱れやすくなることが原因のひとつとされています。
Q3:起立性調節障害の診断はどこで受けられますか?
A3:小児科や心療内科などで診断を受けることができます。仮性近視などの眼科的検査、血圧測定、起立試験などで総合的に判断されるケースが多いです。
Q4:朝、無理に起こして学校に行かせたほうがよいですか?
A4:無理に起こすことは逆効果になる可能性があります。体調が安定するまで十分な休息とサポートを行い、医師と相談しながら段階的に登校を目指すのが望ましいです。
Q5:起立性調節障害と学校不登校の関係は?
A5:起立性調節障害は「朝に体調が悪くなる」ため、学校に行けなくなり、不登校と誤解されることがあります。心因性とは異なる身体的な症状であることを理解することが大切です。
Q6:親ができるサポートはどんなことですか?
A6:朝を静かに迎える、起こす時間を一定にする、プレッシャーを与えない、こまめな水分補給など、生活リズムの整備と心のサポートが重要です。時には第三者(学校や専門家)の力を借りることも大切です。
Q7:起立性調節障害と食生活に関係はありますか?
A7:あります。偏った食事や過度なダイエットなどは自律神経の乱れを助長することがあります。栄養バランスの取れた食事、特に鉄分やビタミンB群の摂取が推奨されます。
Q8:スポーツや運動はしても大丈夫?
A8:症状の程度によりますが、急な立ち上がりや激しい運動は控え、軽いストレッチや体幹トレーニングなどから始めるのがおすすめです。医師や専門家の指導のもと行うと安心です。
Q9:起立性調節障害は自然に治りますか?
A9:成長とともに自然回復するケースもありますが、長期間続く場合や重症化することもあります。早めの対応・生活改善・継続的なケアが回復を早めるポイントです。
Q10:鍼灸や整体は効果がありますか?
A10:鍼灸や整体などの代替療法は、自律神経の調整や睡眠の質向上、頭痛の緩和を目的として行われるケースがあります。ただし施術は医師の診断の上で、安全性を確認したうえで選ぶことが大切です。