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COLUMN
「サッカーで走る・ボールを蹴ると股関節が痛い…」成長期に多い“グロインペイン症候群”とは?
グロインペイン症候群とは?
「グロインペイン症候群とは、股関節の内側や下腹部、太ももの付け根付近に痛みが出るスポーツ障害で、特にサッカーやラグビーなどキック動作や走行が多い競技の子どもに多く見られます。
「サッカーをすると股関節が痛む」「ボールを蹴る瞬間にズキッとする」などの症状が代表的です。
特に10歳~15歳の成長期の男の子に多く、長引くとパフォーマンスの低下や、スポーツ継続が困難になるケースもあります。
主な原因は?
- キック動作やターン時の繰り返しによる筋肉や腱への負荷
- 成長期特有の骨と筋肉のアンバランス
- 体幹(インナーマッスル)や股関節周囲の筋力不足
- 柔軟性の低下や姿勢不良(骨盤の歪みなど)
- オーバーユース(使いすぎ)による慢性炎症
痛みを無視して練習を続けると、慢性化し回復までに数ヶ月かかることもあります。
注意すべき症状のサイン
- 走ったりボールを蹴ったりすると股関節の内側が痛む
- 歩くだけでも違和感や鈍痛がある
- 片足立ちが不安定
- 痛みのせいでフォームが崩れている
- 痛みが1週間以上続いている
これらの症状がある場合は、放置せず早めに専門家に相談しましょう。
応急処置とセルフケアのポイント
- 運動を一時中止し、股関節に休息を
- アイシング(1回15~20分)で炎症を抑える
- ストレッチで太もも・股関節周辺の柔軟性を保つ
- フォームの見直し(過度な内股・猫背など)
- 体幹トレーニング(ブランク、バランス運動など)
改善までにはリハビリや運動指導が重要です。痛みが治まっても再発防止のためのケア継続が必要です。
専門家による治療のすすめ
成長期のスポーツ障害は、「休めば治る」と思われがちですが、成長期ならではの原因と構造的なクセが関係しています。
接骨院や整骨院では以下のような対応が可能です
- 姿勢・バランス評価による根本原因の特定
- 骨盤・股関節の調整(手技療法)
- 再発防止のための体幹・柔軟性トレーニング指導
「湿布や安静だけで良くならない…」という方は、専門的な評価と施術を受けてみてください。
柔道整復師・鍼灸師 監修コメント
サッカーや部活動などで頑張る子どもたちの体には、成長に伴う構造的な負担がかかっています。
子どもが「痛い」と口にする頃には、すでに痛みが慢性化しているケースも多いです。
成長期の身体は繊細で、“早めのケア”が将来のパフォーマンスを守るカギとなります。
あなたのお子さんの股関節痛、放っておかないで

痛みは体からのサインです。「成長痛でしょ」と決めつけず、専門家に相談してください。
スポーツを頑張る子どもたちの未来のために、今できるケアを。
※治療内容・方針は院によって異なります。詳しくは各院にご確認ください。
グロインペイン症候群に関連するよくある質問
Q1:子どもがサッカーで股関節が痛いと言っています。成長痛との違いはありますか?
A1:成長痛は通常、夜間や安静時に膝や脚に起こる“漠然とした痛み”が特徴です。一方、グロインペイン症候群は特定の動き(キック・走る・ターン)で痛みが出るのが特徴。部位も股関節周辺に限定されることが多いため、症状の現れ方が異なります。
Q2:股関節痛があるのにサッカーを続けるとどうなりますか?
A2:無理に続けると慢性化や二次的な怪我(腰・膝など)につながるリスクがあります。フォームが崩れ、パフォーマンスも低下するため、一時的な休養と専門的なケアが必要です。
Q3:グロインペイン症候群は自然に治りますか?
A3:放置しても一時的に痛みが引くことはありますが、根本原因(姿勢・筋力バランス)が改善されないと再発しやすいです。リハビリやフォーム改善を含めた対策が必要です。
Q4:自宅でできるセルフケアはありますか?
A4:はい、軽度であれば以下が有効です。
- アイシング(15分程度)
- 太もも・股関節周辺のストレッチ
- プランクなどの体幹トレーニング
Q5:グロインペイン症候群は女の子にも起こりますか?
A5:男の子に多い症状ですが、競技レベルの高い女の子でも起こることがあります。特に中学・高校で競技志向が強くなるとリスクが上がるため注意が必要です。
Q6:痛みが出ていなくても予防はできますか?
A6:できます。特に以下を意識することが重要です。
- インナーマッスルの強化
- 正しいウォームアップとクールダウン
- フォームの確認(内股や反り腰など)
- 練習量の調整と休養の確保
Q7:接骨院ではどんな施術をするのですか?
A7:姿勢・関節の動き・筋力バランスなどを評価した上で
- 骨盤や股関節の調整(手技)
- 痛みの緩和(電気施術・手技)
- 再発防止の運動指導
Q8:どのくらいでスポーツ復帰できますか?
A8:症状の程度によりますが、軽度なら1~2週間、重度なら1~2か月以上かかることも。痛みが引いた=完治ではなく、再発防止プログラムの完了が目安です。
Q9:整形外科と接骨院、どちらを受診すべきですか?
A9:骨折や関節の損傷が疑われる場合はまず整形外科で画像診断を。その上で、機能改善や再発防止は接骨院での施術も有効です。
Q10:グロインペイン症候群にならないために親ができることは?
A10:
- 痛みの「我慢」を美徳にしない
- 試合や練習後に股関節のチェック(動き・痛み)
- 週に1回は体のケア日を設ける
- 専門機関への相談をためらわない